イーストとは

イーストは生き物

 外見を見ただけでは想像もつかないと思いますが、実はパンを作るのに欠かせないイーストは、独立した生命体、つまり生き物です。一般に、イーストとは「自然界にある多種多様な菌のうち、最も製パンに適したものを果実や穀類などから分離して、純粋培養したもの」をいいます。

 イーストは、1個の細胞からなる非常に小さな生き物です。その直径は4~14ミクロン、短径は3~7ミクロン。これは米粒の800分の1ほどの大きさですから、肉眼では確認できませんが、顕微鏡で見ると、きれいな円形や卵形をしています。製品になっているイーストの白いかたまりの中には、1グラムあたり100億個もの生きたイーストが含まれています。

成型されたパン酵母

繁殖と発酵~イーストの生命活動

 イースト製品の成分は、65~70%が水分、残る30~35%がたんぱく質や炭水化物、脂質など。1個の細胞の中に、生命維持に必要な成分がすべて含まれているのです。

 イーストは、からだの表面から糖などの栄養分を摂って生きています。周りに酸素があるときには呼吸をし、子孫を増やします。その繁殖方法は出芽と呼ばれるものです。母細胞から娘細胞が芽を出し、これがふくらむように育って新しい細胞となり、分離することで増えていきます。

 逆に周りの酸素が不足すると、増殖をやめ、糖をアルコールと炭酸ガスに分解して生命を維持します。この活動が、パン生地中での発酵作用にあたります。 増殖・糖分解ともに、イーストが最も活発に活動する温度は30℃前後です。

イースト製品の成分 イーストの生命活動