製麺の問題点を解決!かんすいのご案内

2024.06.26
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かんすいを知ることで、思い通りに中華麺・ワンタンの皮などのクオリティが得られるように導く情報です。弾力やコシなどの食感、伸びや粘り、色付きなどの問題点を解決できる適正品、また作りたい麺に合ったかんすいをご案内します。

かんすいとは?

かんすいとは?

起源

かんすいの起源はいくつかありますが、中国ではその昔、湖や沼から湧き出るアルカリ性の水や、植物の一部を焼いて灰を作り、水に溶いた灰汁を用いて麺を作っていたと言われています。これらを加えた麺はほどよい弾力と独特の風味のある質のよい麺に仕上がり、これが中華麺の始まりとも言われています。このアルカリ性の水や灰汁こそが「かんすい」のはじまりです。 

定義

日本のかんすいは化学合成品に限られ、下記のような定義があります。

それぞれの成分規格に適合する炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸塩の1種以上を含むもの、またはこれらの水溶液もしくは小麦粉で希釈したもの。

用途

かんすいは主に、中華麺(ラーメン)、焼きそば、即席ラーメン、ワンタンの皮など求められる食感や風味、色調などが違うさまざまな配合の麺に使用されます。また「茹で」「蒸し」「揚げ」など加工する工程の違いに合わせて選択する場合もあり、近年の麺文化が多様化するにつれ、かんすいに求められる効果・機能も多様化しています。

かんすいの主原料とその特性

かんすいの主な原料は、定義にもあるように炭酸カリウム炭酸ナトリウムです。
この2つの原料の特性を理解しバランスをとることで、茹で伸びや弾力、香気などの食感や風味に対して違う効果が得られます。

炭酸カリウム 
炭酸カリウムK2CO3(分子量:138.2/アルカリ量:8.5)

炭酸ナトリウムに比べ分子量が大きく、重量当たりの分子数が少なくなるためアルカリ量(※)が低くなります。カリウムとナトリウムでは、水和半径がほぼ同じですが、原子が大きく、水分子に親和性が低く水を引き付ける力が弱いため、麺の茹で伸びが遅くなります。

原理イメージ
かんすいにおける炭酸カリウムの原理イメージ

炭酸ナトリウム 
炭酸ナトリウムNa2CO3(分子量:106.0/アルカリ量:10.9)

炭酸カリウムに比べ分子量が小さく、重量当たりの分子数が多くなるためアルカリ量(※)が高くなります。アルカリ量が高いほど、グルテンを収斂させる力(引き締め)が強くなりますが、原子が小さいため水分子親和性が高く、水を引き付ける力が強いため、麺の茹で伸びが早くなります。また香気成分が多く発生し風味も強くなります。

原理イメージ
かんすいにおける炭酸ナトリウムの原理イメージ

アルカリ量(※)
炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウム1%溶液に1規定の塩酸を滴下し、pHが7.0(中和)になるまでの量。

特性まとめ

主原料である「炭酸カリウム」「炭酸ナトリウム」は、麺に対しさまざまな影響を与えます。これらのバランスを計算し取り入れることでさまざまな麺を最適に作ることができます。

  伸び 弾力 粘性 コシ なめらかさ 色つき 風味
炭酸カリウム 伸びにくい 強い 低い 強い ある 弱い 穏やか
炭酸ナトリウム 伸びやすい 弱い 高い 弱い 強い 強い 強い

日本のご当地ラーメンに適したかんすいの選び方

日本のご当地ラーメンは、スープだけでなく麺においてもさまざまな特徴があります。
その特徴に適したかんすいを麺の特徴や製法に応じラインアップしています。

全国ラーメンMAP
各ラーメンにおける最適なかんすい

「最適なかんすい」を選定する場合、さらに要望する品質(食感や風味)に合わせてかんすいを選定いただきますと、より製品価値が高く仕上がります。

食感 
麺の口当たりのなめらかさ、のど越しを改善したい場合に適します。

風味 
特に中華麺特有の風味を強調したい場合に適します。

弊社かんすい製品なら、製品価値を高く仕上げるとともに、
お客様の思い通りの麺製品作りに近づけることができます。
かんすい製品はこちらからご覧ください。

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